lilToonの導入・使い方 – アバター向け多機能シェーダー

lilToonは3Dアバター向けの多機能なシェーダーです。

lilToonを利用することで、手軽な操作で見た目の調整をすることができます。

用意するもの

Unity

Unityはこちらのリンクからダウンロードしてください。

ダウンロード方法については、こちらの記事をご覧ください。

lilToon

lilToonはこちらからBOOTHに飛んで、ダウンロードします。

ダウンロードしたzipファイルを右クリックで展開してください。

WarudoSDK

Warudoはこちらのページから、Warudo SDK 0.12.0 Modding Project.zipをクリックしてダウンロードします。
zipファイルを右クリックしてすべて展開してください。

Warudoを毎回ダウンロードして展開するのはけっこう時間がかかってしまいます。

WarudoSDK用のフォルダを作り、そこにコピー&貼り付けをし、いくつか複製しておきます。

使う前にファイル名を変更しておくことで、どのプロジェクトに使用したのかが一目でわかるようになり、便利です。

3Dモデル

vrm形式の3Dモデルを用意します。

3Dモデルの制作方法は、こちらの記事をご覧ください。

導入・使い方

Unity hubを起動しましょう。

プロジェクトから「開く」を選びます。

Warudo SDKの項目のときに名前を付けたフォルダを開きます。

※「これを使用するには2021.3.18f1のUnityが必要です」という警告が出る方は、画面に従ってインストールしてください。

インストール完了後、×ボタンでポップアップを閉じ、改めてプロジェクトを開きます。

ウインドウの上部にもしっかり「2021.3.18f1」と表記されていますね。


Unityを日本語化するとわかりやすくなりますが、何か詰まったときに「みんなが英語でやってるために解説や事例が見つからない!」となりがちなので、この記事では英語表示のままで行います。

UnityのAssetsタブ上で右クリックをし、Create、Folderとクリックして、フォルダーを新規作成します。


作成したフォルダを右クリックし、Renameより、名前を「model」に変更します。

作成したmodelファイルをダブルクリックで開き、VRMの3Dモデルをドラッグ&ドロップで入れてください。
少し待つと、modelの中にいくつかのファイルが入ります。


Inspecter内のPrefab Assetと書かれたアイテムを、Hierarchyにドラッグ&ドロップ。

画面にモデルが表示されました。


ダブルクリックで近寄ることができます。

次はliltoonのUnitypackageをダブルクリックします。

インストールするポップアップが表示されるので、Import、Installと進みます。

modelファイルの中に「モデル名~.Materials」というフォルダが追加されました。
ダブルクリックで開きましょう。


並んでいるマテリアルをひとつクリックし、Ctrl+Aキーで全選択。

色味が変わったときに見比べるために、Ctrl+Dキーで全部複製しておきます。

すこし面倒ですが、Ctrlキーを押しながら元のマテリアル(=現在適用されているMaterial)をひとつずつクリックして選択します。

選択したそれらのinspectorのshaderを、lilToonに変更します。

色味が変わったと同時に、透過していた部分が透過されなくなってしまいました。

後で修正することもできるのですが、今回は解説用に、わかりやすく直していきましょう。

理解している方は二度手間になるため、次の工程を飛ばしてしまって問題ありません。

半透明の調整

(プリセットを登録した後でまとめて変更するほうが効率はいいのですが、今回は解説のためにひとつずつ変更します)


languageをJapaneseにし、簡易設定から詳細設定にクリックで変更します。

lilToonに変更した際、描画モードと、基本設定をクリックで開いた中の描画面の設定が、元データのものとズレているところがありました。

表記は次の通りに対応しています。

  • CutOut = カットアウト
  • Opaque = 不透明
  • Transparent = 半透明

back、front、off はどちらでも同じ表記です。

元データの設定と同じものになっているか一つ一つ確認・変更していきます。

一通り設定が終わりました。

半透明の重なりを確認するために、Scene画面の操作しましょう。


右クリックしながら動かして視点を回転、マウスホイールを転がすと前後移動ができます。
マウスホイールをクリック、もしくは、右クリックしながらWASDを押しても移動できます。

右クリックを押しっぱなしにしたまま向きを変え、向いてる方向にWで進む、Sで後ろに進むのが速いかと思います。

半透明にしたオブジェクトの説明に戻りましょう。

例えば瞳のハイライトなど、別のオブジェクトと重なったときに片方が消えることのないようにする必要があります。


手前に表示されるマテリアルのRender Queueの数値を大きくすると、「こちらのパーツが前に出る」という設定ができます。


目やアイラインなど、半透明の物の数値を10ずつ変更しましょう。

1ずつですと、間に入れたいものがあった時に振り直しになるため、余裕を持たせて10ずつ動かしています。

影の調整

服の裏側が明るくて不自然に見えるときは、この「裏面を影にする」と「透明度」のスライダーを調整することで裏面に影を作れます。


影の色は「HDR」をクリックして、カラーサークルからお好みの色を選択しましょう。

この状態で、元のテクスチャをクリックしながらドラッグし、モデルの上に持ってくと、色が変わってしまいました。
lilToonで変更したテクスチャが環境光の影響を受けなくなってしまっていることがわかります。

調整をしたいのですが、設定できる項目がたくさんあって大変です。


そこで、設定を一気に適用することができるプリセットを利用しましょう。


デフォルトで用意されている設定も良いのですが、今回は他の方の設定をお借りしました。
lilToon 設定 3Dモデル(その他)」などでBOOTHで検索し、配布いただいているプリセットをダウンロードします。

今回はくまちゃんラボさんの、入射光による反射を忠実に再現したリアル調lilToonマテリアル設定 という設定をお借りしました。

ダウンロードしたものを右クリックですべて展開しましょう。

KUMA Lab AdvlilToonSetting v2 Presetsをダブルクリックします。

Importをクリックすると、lilToonのプリセットのその他のところにプリセットが追加されます。

表示されていないときは、リストを更新をクリックすると表示されます。

これで逆光やライティングをワンクリックで設定できるようになります。


説明書にある通り、ライティング設定は全部に適用します。
マテリアルをクリックして選択し、プリセットをクリックするとすぐに反映されます。

逆光セットアップも髪や体や服や顔にそれぞれに、プリセットをクリックで適用しましょう。


顔や口の中が光って不自然になるときは、あとで逆光の設定を初期化してください。

無事に全て設定できたのですが、肌の影がリアルすぎるように感じます。

今回、肌のマテリアルはもともと用意されている「フラット」でもいいかもしれません。

プリセットを変えて、ライティングを適用しなおしました。
プリセットによっては描画面が変わっていることあるので、適用しなおした後は半透明の調整の通りに確認・修正しましょう。

「もっとこうしたい」というところがある方は、詳細設定で好みに近付けてもちろん大丈夫です。

ライティング・明るさ設定


今回はライティング・明るさ設定の中の、明るさの下限だけを紹介します。


これが0でない場合、電気を消していても自分が見えてしまいます。


今回は、真っ黒なシルエットが舞台に登場するという演出をやりたかったので、明るさの下限を0にしました。

暗いところで目だけ光るという演出も面白そうです。

上限は1.2にしてみました。

また、元のテクスチャをドラッグして重ねて見てみると、色が結構変わっているのがわかります。


大抵は光が当たって色が変わってるだけですが、必要に応じて色設定のメインカラーから色を足したり、色調補正の明度やガンマ値で調整することもできます。

これで完成です。

書き出し


調整が完了したモデルをWarudo用に書き出しましょう。


WarudoタブのNew Modをクリックします。

Mod Nameに任意の名前を入れ、Create Mod!をクリックします。

Assetsをクリックすると、名前を付けたフォルダができているのが見つかります。


そこにmodelフォルダごと、ドラッグ&ドロップで放り込みましょう。

WarudoタブのSetup Characterを選択します。

調整したモデルをクリックで選んだ時に、両方ともtrueになってることを確認してください。


Setup selected GameObject as character modをクリックし、表示された画面でOKを押します。


WarudoタブからBuild Modをクリックします。

少し待つと、できあがったデータが入ったフォルダが開きます。

これを、Warudoのキャラクターの「キャラクターフォルダを開く」で開けるフォルダに、コピーして貼り付けしましょう。

これで質感の変更が反映されたアバターを、Warudoで使用することができるようになりました。

修正する

修正したいときは、modelフォルダの中からMaterialフォルダを探して、修正したいところを直してください。

既に画面を閉じた方は、Unity Hubで使ったフォルダをクリックすれば開けます。

修正が終わったら、Warudoタブから、Build Modをクリックしましょう。

できたファイルを、キャラクターフォルダにドラッグ&ドロップで上書きします。

これで再度、変更が反映されました。

lilToonの設定は、他にもたくさんの方が出してるので、ぜひ触ってみて楽しんでください。

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